私は高配当株を、毎月決まった額で機械的に積み立てる買い方はしていません。利回りが低い局面(株価が高い局面)でも買い続けても、買い値の利回りが長期のインカムを決める高配当株では旨味が薄いからです。ドルコスト平均法はインデックスや成長株には合っても、高配当株の主力の買い方にはしない、というのが私の考えです。
ではどう買っているかというと、割安だと判断した銘柄をマネックス証券のワン株(単元未満株)で少しずつ買い増しています。毎月のように買ってはいますが、買うのは目安利回りに達した銘柄だけ。対象がなければその月は買いません。タイミングだけ見ると毎月の積立に似ていますが、銘柄を割安かどうかで先に選んでいる点がまったく違います。
マネックスの他機能や選んだ経緯はメイン口座にマネックスを使い続けている理由、銘柄の絞り込みは銘柄スカウターの10年スクリーニングに書いています。
ワン株を使う理由 — 手数料ゼロと少額分散
ワン株は通常100株単位の株を1株から買える仕組みです。使う理由は2つ。
- 買付に売買手数料がかからない(単元の売買には手数料が発生する)。少額を何回にも分けて買う運用と相性がいい
- 少ない資金でも複数銘柄に分散できる。1銘柄100株には数万〜数十万円かかることもあるが、ワン株なら同じ予算でも複数に散らせる。1社集中で減配や下落をまともに受けるより、最初は分けてリスクを散らしたい
この2つは資産を積み上げる途中の段階で特に効きます。手数料を払わず、少額で、何銘柄にも分けて買える入り口です。
私の買い増しは2系統に分かれている
保有状況によって2系統に分けています。
- すでに単元(100株)を保有している銘柄:単元単位で買い増す。原則、株価が15%下落したら1単元追加。押し目や暴落を待って仕込む、タイミング投資そのもの(背景は暴落を仕込み時に変えるマインドセットに)
- まだ単元に届いていない銘柄・これから積み増したい銘柄:ワン株で買い増す。目安利回りに達した銘柄を毎月定期的に少しずつ
前者は大きな下落というイベントを待つ運用、後者は時間をかけてコツコツ積む運用です。後者が「ドルコストではないのか」という疑問に直結します。
「毎月買う」前に「割安ゲート」がある
ワン株で一番効かせているのが、買う前にかける「割安かどうか」のフィルタです。私が毎月買うのはどんな銘柄でもなく、目安利回りに達した=割安だと判断した銘柄だけ。目安利回りは銘柄ごとに「この利回りまで来たら買っていい」と平時に決めるラインで、考え方は目安利回りで買うタイミングを設計する記事にまとめています。
順序が大事です。先に割安ゲートがあり、通った銘柄の中だけで時間を分散して定期的に買う。ドルコスト平均法はこのゲートがなく、利回りが低かろうが毎月同じ額を機械的に買います。私が否定的なのはこの「割安かどうかを問わない」点です。だから目安利回りに達した銘柄が一つもなければ、その月は何も買いません。時間分散はあくまでゲートを通った銘柄の中の話で、ゲート自体は割安かどうかで開け閉めしている、と整理すると分かりやすいと思います。
ワン株で単元化した銘柄の実例
買い増しを続けた結果、いくつかの銘柄は最終的に単元(100株)に到達しました。過去に単元化まで持っていった銘柄として、日本特殊陶業や三井物産があります。ワン株で1株ずつ買い増した積み重ねが、時間をかけて100株に届いた例です。
メカニズムが違う例も挙げておきます。伊藤忠商事は、買い増しで単元化したのではなく、保有していた単元未満株が株式分割で株数が増えた結果、単元に到達しました。株式分割は買い増しとは別の経路で株数が増えるので、同じ「単元化した」でもコツコツ買い増した銘柄と分割で増えた銘柄では成り立ちが違います。ここは正確に区別しておきます。
これらの銘柄名は、私が過去にこういう積み上げ方をしたという実例として挙げているだけです。いまこれらが買いかどうかは別の話で、特定銘柄の購入を勧めるものではありません。ワン株でコツコツ買うと時間をかけて単元化していく、という運用イメージを持ってもらうための例と受け取ってください。
単元化すると、その銘柄は以降「単元保有済み」系統に移り、買い増しは15%下落を待った単元買いに切り替わります。ワン株でゼロから積み上げ、単元化したら暴落待ちの単元買いに移行する。これが私の中での1銘柄のライフサイクルです。
ワン株の制約 — 指値できない、寄付でしか約定しない
便利なワン株にも、単元取引にはない制約があります。一番不便なのは価格を指定して買えないこと。注文は成行のみで、約定は寄付(その日の最初の値段)。「この値段まで下がったら買う」という指値が使えず、いくらで約定するかは寄付が決まるまで分かりません。
この制約は私の運用とは折り合いがついています。ワン株の買い増しは目安利回りに達した割安な銘柄を時間をかけてコツコツ買う運用で、1回の株数も少額なので、約定価格が数円〜数十円ぶれても長期では影響が小さい。逆に単元でまとまった株数を狙った値段で仕込みたいときは、指値が使える単元取引を使います。だから暴落待ちの大きな仕込みは単元、コツコツの積み増しはワン株、と使い分けています。
まとめ — ゲートが先、時間分散は後
私のワン株運用は、見た目だけならドルコスト平均法とそっくりですが中身は違います。目安利回りに達した割安な銘柄だけを買う割安ゲートが先にあり、通った銘柄の中で時間を分散して定期的に買う。ゲートが先、時間分散は後。この順序がドルコストとの分かれ目です。
買い増しを2系統に分けるのも同じ延長で、単元保有銘柄は15%下落を待った単元買い、薄い銘柄はワン株の定期買い。どちらも「割安なときに買う」軸は共通で、状況に応じて手段を変えているだけです。試すなら、まず買いたい銘柄の目安利回りを一つ決めて、その水準に来たときだけワン株で1株買ってみるところから始めると、ドルコストとの違いを体で確かめられると思います。
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ワン株は、マネックス証券の口座を持っていれば使えます。1株単位・買付手数料なしで少額から分散できる仕組みは、高配当株をこれから積み上げる段階で使い勝手がいい機能です。実際の注文画面を自分の目で触って、自分の積み立て方に合うか確かめてみてください(口座開設・口座維持は無料)。