高配当株の5軸スクリーニングを、マネックス証券の銘柄スカウター「10年スクリーニング」でどう実装しているか。私が実際に使っている設定値10項目を、そのまま公開します。
この記事でわかること:
- 私が保存している10条件の中身と狙い
- 入門5軸との違い(一段厳しい「理想ライン寄り」)
- 全上場銘柄が十数銘柄まで絞られる実例
- 過去データ型スクリーナーの限界と、つき合い方
※条件は私の一例です。真似る用ではなく、自分の基準を決める叩き台として見てください。マネックスを使ってきた経緯はメイン口座の体験記に書いています。
10年スクリーニングという機能
一般的なスクリーナーは「今期の配当利回り」「現在の自己資本比率」といった一時点の数値で絞ります。10年スクリーニングは「過去10年で連続増収か」「10年の売上成長率は何%か」といった、時間軸を持った条件で絞れるのが違いです。
長期保有前提の高配当株では、一時点の数字より10年の業績推移のほうが効きます。一度の好決算でたまたま条件を満たした銘柄ではなく、長く安定して稼いできた銘柄を拾いたいからです。
設定は「マイスクリーニング」に保存できます。私は月1回それを呼び出して該当銘柄を点検するだけ。毎回ゼロから入れ直す必要はありません。
私が設定している10の条件
| # | 条件項目 | 区分 | 設定値 |
|---|---|---|---|
| 1 | 連続増収年数(売上高) | 通期業績 | 連続4期以上 |
| 2 | 連続増益年数(営業利益) | 通期業績 | 連続4期以上 |
| 3 | 利益率(営業利益) | 通期業績・5年 | 10%以上 |
| 4 | 利益率(営業利益) | 今期会社予想 | 10%以上 |
| 5 | 予想配当利回り | 分析指標 | 3%以上 |
| 6 | 配当性向 | 分析指標 | 50%以下 |
| 7 | 自己資本比率 | 分析指標 | 40%以上 |
| 8 | 成長率(売上高) | 通期業績・10年 | 4%以上 |
| 9 | 成長率(営業利益) | 通期業績・10年 | 4%以上 |
| 10 | 連続増配年数 | 分析指標 | 連続4期以上 |
「区分」列は、その条件をスカウターのどのタブで設定するかの目印です(通期業績/分析指標/今期会社予想)。
各条件の狙い:
- 連続増収・増益(1・2):本業が縮んでいない会社に限定。減収減益が続くと配当原資が細る
- 営業利益率(3・4):稼ぐ力が薄い会社を外す。過去5年と今期予想の両方で確認
- 予想配当利回り(5):高配当の入り口。利回りだけで選ばないため3%と低めに設定
- 配当性向(6):利益に対して配当を出しすぎていないか。無理な配当は減配リスク
- 自己資本比率(7):下落局面でも踏ん張れる財務の体力
- 売上・営業利益の成長率(8・9):10年単位でちゃんと伸びてきたか
- 連続増配年数(10):目視ではなくスクリーニング条件として機械的に組み込む
入門5軸を「理想ライン寄り」に締める
5軸スクリーニングの記事の基準と、実条件を並べると、私の設定が一段厳しいのがわかります。
| 軸 | 入門記事の基準 | 私の実条件 |
|---|---|---|
| 配当利回り | 3.5%以上 | 3%以上 |
| 連続増配・維持 | 5年以上 | 連続4期以上(増配) |
| 配当性向 | 80%以下 | 50%以下 |
| 自己資本比率 | 30%以上 | 40%以上 |
| 売上トレンド | 横ばい以上 | 連続増収4期+10年成長率4%+営業利益率10% |
配当利回りだけは実条件のほうが緩い3%です。これは意図的。利回りのハードルを上げると、財務が良い優良銘柄ほど普段は利回りが低く、候補から漏れてしまうからです。利回りは広めに取り、財務と成長で締める配分にしています。
入門記事は「最低ライン」、この記事は実運用の「締めた版」という棲み分けです。正解は一つではなく、自分のリスク許容度に合わせて2つの間に基準を置けばいいと考えています。
絞ると残るのは十数銘柄
10条件すべてをかけると、東証の全上場銘柄のうち該当は16銘柄ほど(私が回した時点)。
連続増配(条件10)を外して9条件にすると23銘柄に増えます。増配1条件で7銘柄絞られる計算で、それだけ「増収増益・財務良好・増配継続」を兼ね備えた会社は限られます。
数千銘柄が十数銘柄になると最初は「厳しすぎる?」と感じますが、私はむしろ安心しています。高配当株は選ぶ力より選ばない力が効く投資で、機械的に落とせる部分は最初に落としきるほど、後の判断が楽になるからです。
残った銘柄を全部買うわけではありません。ここから業種の偏り、いまの株価が目安利回りに達しているか、直近ニュースに懸念がないかを見て絞ります。買い増しの実運用はワン株の記事に。
通過した銘柄をどう受け止めるか
このスクリーニングを通って「拾えてよかった」と当時感じた銘柄に、DTS(9682)やデイトナ(7228)があります。
ただしこれは、私が買った当時にそう感じたという過去の話です。いま同じ銘柄が買いかは別の判断。スクリーニングは「過去にこの条件を満たした銘柄がこれだった」という記録であって、「いま買うべき銘柄」のリストではありません。銘柄名は、こういう条件だとこういう顔ぶれが上がる、という実例で、購入を勧めるものではありません。
スクリーナーの結果はそのまま買い注文に直結させず、「候補が見つかった、ここから個別に調べよう」という起点として扱っています。
限界 — 過去しか見ていない
便利な10年スクリーニングにも構造的な限界が一つあります。見ているのが過去の実績だけ、という点です。
連続増収年数も成長率も連続増配年数も、すべて過去に確定した数字です。現在進行形の業績、来期の配当・売上見込み、足元のニュースは何も教えてくれません。極端に言えば、過去10年は完璧でも直近の四半期で急変した会社を、優等生として拾ってしまう可能性があります。
過去の数字に飛びつく危うさは増配率だけで判断して失敗しかけた話に具体例を書きました。連続増配や高い増配率という実績が、将来の安泰を保証するとは限らないという話で、同じ落とし穴がスクリーニングにもあります。
だから銘柄選出は終点ではなく起点です。残った銘柄の現在の業績・来期予想・配当方針・直近ニュースを自分で追って、ようやく買うかの判断に入ります。道具に判断を肩代わりさせない、というのが過去データ型スクリーナーと付き合ううえで一番大事なところです。
まとめ
条件は公開できても、最後の判断は手元に残ります。スクリーニングは候補を絞る道具で、買う銘柄を決める道具ではありません。
次にやるなら、自分なりの条件を一つ決めてマイスクリーニングに保存してみること。私の10条件をそのまま入れる必要はなく、利回りを上げる・自己資本比率を下げる・連続増配を外すなど、自分のリスク許容度に合わせていじってください。保存すれば、来月からは呼び出すだけで点検が回り始めます。
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